このコラムでは、Ruby on Railsについての最新情報やRails試験に関する内容を取り上げていきます。
今月はRails World 2026(※1)の話から見てみます。9月下旬、アメリカのオースティンで開かれた年次カンファレンスです。初日の基調講演で創始者のDHHが話した内容は、ほどなく「手書きコードの終わり」という見出しで各メディアに広がりました。言葉だけ見ると、少し身構えてしまいます。けれど講演の中身はもう少しゆるやかで、Rails初学者の学習に絡む部分もありました。
(※1) https://rubyonrails.org/world/2026
最新の基調講演は、見出しほど派手ではなかった
講演の中心は、37signalsという会社の運用を変えたという報告でした。実装の多くをAIエージェントに任せ、人が手で書くのは例外になった、という話です(※2)。
これは、プログラマーがいらなくなる、という意味ではありません。DHH自身、『人の仕事は上に移る』と言っています。設計を決める。できあがったものの正しさを見極める。このあたりは、むしろ手間が増えるとまで話しています。
セキュリティは、その「確かめる」側の仕事で、最近のRailsはここがよく動いています。7月末には、Active Storage(ファイルを扱う仕組み)に、読み出しや実行につながりかねない脆弱性(システムの弱点)が見つかり、新旧3バージョンに同じ日で修正が入りました(※3)。10月後半の開発ブログを読んでも、秘密鍵のファイルを読めなくする変更が続いています(※4)。9月下旬には8.1.4と7.2.4の修正版が出て、8.1系はバグ修正の期間を終え、以後は安全面の修正が続く段階です(※5)。
コードを書くのがAIになろうと、この点検だけは減らない。派手な見出しと、目立たない更新の列。両方を見て、はじめていまの開発の様子が読み取れます。
(※2) https://youtu.be/vDjW_dRyKXY?si=4-eOAjSVV-KG8qEt
(※3) https://rubyonrails.org/2026/7/29/Rails-Versions-7-2-3-2-8-0-5-1-and-8-1-3-1-have-been-released
(※4) https://rubyonrails.org/2026/10/23/this-week-in-rails
(※5) https://rubyonrails.org/maintenance
規約があるというRailsの特徴が、学習の追い風になる
では、書く時間が減るなら何を学べばいいのでしょうか。
講演の中に、ひとつ印象に残る発言がありました。DHHは、Railsの規約(設定よりも規約)がエージェントの時代と相性がいい、という趣旨の話をしていました。決まった場所に決まった名前でコードが置かれていれば、読む側が人でもAIでも楽だ、という理屈です。これ、初学者にとっては朗報です。モデル、ビュー、コントローラというRuby on Railsの分け方は、AIへの頼み方の共通言語にもなります。「このモデルに集計の処理を足して」と一文書けるのは、置き場所と名前が決まっているから。後から入った人が読みやすい、という昔からの利点が、AIが書く時代にも生きています。基本の型を押さえることの意味は、大きくなっていると感じました。
共通言語 Ruby on Rails の腕前を、40問で確かめる
読んで使ううちに知識は増えていくのに、あいまいなまま残る部分も少なくありません。あいまいさの正体を突き止めるなら、試験にぶつけてみるのが手っ取り早いです。
Rails 7技術者認定ベーシック試験は、受験料10,000円、学割・教員割は5,000円。40問を60分で解く形式で、合格ラインは7割正解とされています。専門知識の取得を評価し、OSS開発者育成への貢献を目指す試験です。AIに頼る場面が増える時期だからこそ、基本を問い直す機会の値打ちが下がることはないでしょう。試験の詳細は案内ページにあります。目を通すだけでも、いまの立ち位置がはっきりします。
試験概要は以下の通りです:
- ベーシック試験:受験料10,000円(学割5,000円)、40問60分、7割正解で合格
- アドバンスド試験:受験料12,000円(学割6,000円)、40問60分、7割正解で合格
2025年7月1日から、Rails 7 技術者認定ベーシック試験/アドバンスド試験が始まっています。ぜひ詳細をご覧ください。
合格証は、就職・転職の場面で「Railsの基礎を体系的に身につけている」ことを第三者に示せる、客観的な証明になります。学習の仕上げとして、ぜひ受験を検討してみてください。


