このコラムでは、Ruby on Railsについての最新情報やRails試験に関する内容を取り上げていきます。
AIの現状とRailsエンジニアの価値
2026年1月、Ruby on Railsの生みの親であるDavid Heinemeier Hansson(DHH)氏が、AIコーディングツールについて興味深い発言をしました(※1)。「AIが生成するコードは、私が関わってきたほとんどのジュニアプログラマーほど優れていない」という評価です。
お読みいただいている皆様は、このDHH氏の発言、どのように感じますでしょうか。
今回は、AIが開発現場を席巻すると言われる今、この発言は私たちに何を示唆しているのかを見ていきます。
DHH氏は、AIの現状を「点滅する電球のようだ」と表現しました。真っ暗闇の中で一瞬明るく光り、すべてが見えたと思った瞬間に真っ暗になる、という意味です。彼が率いる37Signalsでは、新製品Fizzyのコードの95%を人間が書いたといいます。
AI時代と言われる今でも、彼は自らコードを書くことを「美しさにこだわれる贅沢」として楽しんでいるのです。
では、これから学習を始めるエンジニアにとって、Railsを学ぶ意味はどこにあるのでしょうか。3つの理由から考えてみます。
(※1) https://www.aol.com/articles/ruby-rails-creator-david-heinemeier-102301412.html
Rails 7.1が実務で最も求められている理由
まず第1に、Railsの中で、Rails 7.1は実務の現場で最も求められているバージョンです。2024年11月にRails 8がリリースされましたが(※2)、企業での実際の採用は依然としてRails 7系が主流です。新技術の導入には慎重な企業が多く、安定性と実績を重視した選択が行われています。
実際の求人票を見ても、Rails 7.1の経験を求める案件が多いのが現状です。つまり、Rails 7.1を習得することは、今すぐ実務で活躍できる力を身につけることを意味します。
第2に、Rails 7.1には開発効率を劇的に向上させる実践的な機能が充実しています。例えば、ActiveRecord::Base.normalizesという機能を使えば、データの正規化処理をシンプルに実装できます(※3)。電話番号やメールアドレスの形式を統一するといった処理が、わずか数行のコードで完結します。複合主キーのサポートや非同期クエリAPIといった機能も、複雑なアプリケーション開発を支える強力な武器となります。これらの機能を使いこなせるエンジニアは、AIに頼らずとも高品質なコードを効率的に書ける人材として評価されるのです。
(※2)https://www.publickey1.jp/blog/24/ruby_on_rails_8sqlitedb6.html
(※3)https://api.rubyonrails.org/v7.1/classes/ActiveRecord/Normalization/ClassMethods.html
AI時代だからこそ基礎力が差別化要因になる
第3に、AIが発展する今だからこそ、確かな基礎力が差別化要因になるということです。DHH氏の発言が示すように、AIはまだ人間の創造性や判断力に追いついていません。AIが生成したコードの品質を判断し、適切に修正できる力こそが、これからのエンジニアに求められます。そして、その判断力の土台となるのが、Railsの基礎を体系的に理解していることです。
それでは、Railsを学習したい・学習をもう1歩先まで進めたい、という方はどのように効率的に学んでいくのが良いでしょうか。
定番ではありますが、この流れが一般的です。
①Rubyの基礎(1ヶ月)
②Rails 7.1の基礎(1〜2ヶ月)
③実際にアプリを作ってみる(1〜3ヶ月)
④ポートフォリオの作成
①〜④はそれなりの期間がかかりますので、中間指標として客観的に知識が身についているかをチェックすることをおすすめします。
それが、Rails試験です。
このコラムをお読みいただいている方の中で、今後Railsを自分の武器としていきたい、採用するエンジニアの技術レベルを確認したい、学習中で自分のレベルを確認したい、という場合は、Rails試験を受験をしてみてください。Rails学習のマイルストーンとして活用していただくことをおすすめします。
試験概要は以下の通りです:
- ベーシック試験:受験料10,000円(学割5,000円)、40問60分、7割正解で合格
- アドバンスド試験:受験料12,000円(学割6,000円)、40問60分、7割正解で合格
試験は「Ruby on Railsの基本文法を問う」ベーシック試験と「実務で使えるコーディング力を問う」アドバンスド試験に分かれており、スキルレベルに応じた体系的な学習が可能です。
2025年7月1日から、Rails 7 技術者認定ベーシック試験/アドバンスド試験が始まっています。ぜひ詳細をご覧ください。



