このコラムでは、Ruby on Railsについての最新情報やRails試験に関する内容を取り上げていきます。
2024年11月にリリースされたRuby on Rails 8.0(※1)は、Webアプリケーション開発のインフラ構成に新しい選択肢をもたらしました。その中核となる「Solid Stack(Solid Cache/Queue/Cable)」により、これまでキャッシュやバックグラウンドジョブ処理に使われていたRedisが、必須ではなくなったのです。
(※1)https://railsguides.jp/8_0_release_notes.html
SQLiteベースの「Solid Stack」という選択肢
Rails 8で導入されたSolid Stackは、SQLiteやPostgreSQLなどのデータベースをバックエンドとして、キャッシュ(Solid Cache)、バックグラウンドジョブ(Solid Queue)、WebSocket通信(Solid Cable)を実現します。従来はRedisやMemcachedといった外部ミドルウェアが必要でしたが、これらをデータベースで代替できるようになりました。
ただし、現状性能面では注意が必要です。ベンチマーク結果によれば、PostgreSQL版Solid CacheはRedisと比較して読み取り速度が約2倍遅く、SQLite版でもRedisと同程度の性能となっています。一方で、開発環境のセットアップやメンテナンスの容易さという点では大きなメリットがあります。
デプロイツール「Kamal 2」による構築の簡素化
Rails 8には、デプロイツール「Kamal 2」がデフォルトで組み込まれています。Linuxサーバがあれば、「kamal setup」コマンドだけでアプリケーションをデプロイできます。これにより、HerokuやAWSといったPaaSへの依存度を下げることが可能になりました。
ただし、Kamal 2を使う場合でも、本番環境ではサーバーの運用・監視の知識は必要です。PaaSが提供していた自動スケーリングや監視機能は自分で構築する必要がある点には留意しましょう。
Rails 7で基礎固め、Rails 8へ段階的に移行
今回、Rails 8.0の機能を見ていますが、これからRailsを学ぶ場合、まずRails 7で基礎を固めることをおすすめします。2025年7月1日に開始された「Rails 7技術者認定ベーシック試験」は、Rails 7.1に完全対応しており、Model開発(20%)、Controller開発(15%)などの実践的な内容が出題されます。受験料は11,000円(学割5,500円)、60分40問で7割以上の正解で合格です。
Rails 7.1で学習する「ActiveRecord::Base.normalizes」「非同期クエリAPI」「複合主キーサポート」などの機能は、Rails 8でも継続して使用されるため、学習内容が無駄になることはありません。
ちなみに: Railsエンジニアの市場価値
2025年現在、Railsエンジニアの平均年収は995万円(フレームワーク別ランキング2位)(※2)を維持しています。Indeed Japanのデータによれば、Rails求人数は2021年1月の17,000件から2024年1月には81,000件へと、4年間で約4.8倍に増加しました。
この背景には、スタートアップから中規模企業での採用が増えていることがあります。特にEdTech分野ではRails案件が全体の30%を占めるというデータもあります。
(※2)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000116595.html
目的に応じて、Rails活用を変えるためには、学習が必要
Rails 8のSolid Stackは、開発初期段階での環境構築のハードルを下げる選択肢として有効です。ただし、すべての状況で最適とは限りません。アクセス数が多いサービスやリアルタイム性が重要なシステムでは、従来通りRedisを使う方が適している場合もあります。
重要なのは、プロジェクトの規模や要件に応じて適切な技術を選択することです。Rails 7.1の基礎をしっかり学び、認定試験でスキルを証明することは、どの構成を選ぶにしても有効なキャリア構築の一歩となります。
Railsに興味を持った方は、ぜひWebなどを活用して学習を進めていただくことをおすすめします。これからエンジニアとして成長したい、Webアプリケーションの開発に挑戦したいと考えている方にとって、Railsを学ぶことは非常に価値のある選択です。
このコラムをお読みいただいている方の中で、今後Railsを自分の武器としていきたい、採用するエンジニアの技術レベルを確認したい、学習中で自分のレベルを確認したい、という場合は、Rails試験を受験をしてみてください。Rails学習のマイルストーンとして活用していただけたらと考えています。
試験概要は以下の通りです:
- ベーシック試験:受験料10,000円(学割5,000円)、40問60分、7割正解で合格
- アドバンスド試験:受験料12,000円(学割6,000円)、40問60分、7割正解で合格
試験は「Ruby on Railsの基本文法を問う」ベーシック試験と「実務で使えるコーディング力を問う」アドバンスド試験に分かれており、スキルレベルに応じた体系的な学習が可能です。
2025年7月1日から、Rails 7 技術者認定ベーシック試験/アドバンスド試験が始まっています。
- Rails 7 技術者認定ベーシック試験




