試験に備えよう! ベーシック試験出題範囲「Scaffolding機能によるRails開発の基礎」解説

Rails7ベーシック試験の実施を前にして、「試験に備えよう!」というこのコラム。
第2回目は前回の続きとなる出題範囲、「Scaffolding機能によるRails開発の基礎」について概要と抑えておきたいことを解説します。

この記事はベータ試験の内容を扱っています。ベータ試験の結果、試験内容が調整され、それに伴いこの記事が更新される可能性もあります。予めご承知おきください。(2024年4月30日)

目次

Scaffolding機能によるRails開発の基礎

出題範囲「Scaffolding機能によるRails開発の基礎」では、以下のような項目について全体の5%の割合で出題されます。

  • Scaffolding機能の使い方
  • Scaffolding機能によって生成されるルート
  • Scaffolding機能によって生成される各画面(アクション)

この出題範囲では、以下の3つのことを抑えておきましょう。

抑えておきたいこと1: Scaffolding機能の目的

Scaffoldingという言葉に馴染みがない方も多いかと思います。
Scaffoldingとは「足場」という意味で、Railsでは基本的なCRUD機能が一通り揃った動作可能なアプリケーションを指します。
Scaffolding機能はこの「足場」を自動生成する機能です。
「足場」が有効に使える場面、「足場」を拡張して自分のアプリケーションを組み立てていく方法について理解しておきましょう。

The Rails Doctrine

Scaffolding機能はRailsの重要な原則、The Rails Doctrineを体現した機能とも言えます。
公式な邦訳は用意されていませんが、必ず目を通しておきましょう。
Scaffolding機能によってもたらされる原則の一部をご紹介します。

Convention over Configuration (設定より規約)

Scaffolding機能はRailsの規約に沿った動作可能なアプリケーションを提供します。

  • 規約に沿ったファイルの配置
  • 規約に沿った命名
The menu is omakase (メニューはおまかせ)

外部フレームワークや機能について、Railsの標準的な選択を提供します。
ここでは各選択の詳細までは問いませんが、「Railsの標準」が何なのかは確認しておきましょう。

  • CSSやJavaScriptのフレームワーク、ビルドシステム
  • データベース
Exalt beautiful code (美しいコードを賞賛する)

Scaffolding機能で生成されるコードは、Railsコミュニティが考える「美しいコード」を表しています。
「美しいコード」とは何なのか、難しい問題ではありますが、その一例となるコードについて覚えておきましょう。

抑えておきたいこと2: Scaffolding機能によって生成される要素

Scaffolding機能を実行すると、Railsの三要素、それらをブラウザから利用するためのルートを始めとした様々な要素のためのファイルが生成、設定されます。
各要素の詳細については別途独立した試験項目となっていますが、役割についてはここでも一通り抑えておきましょう。

  • Railsの三要素「コントローラー」「モデル」「ビュー」
  • ルート
    • config/routes.rb に追記される resourcesメソッド
  • ヘルパー
  • アセット
    • JavaScriptやスタイルシート
  • マイグレーション
  • テスト

抑えておきたいこと3: Scaffoldingによって生成される各画面の機能

「抑えておきたいこと1」で「CRUD機能」という言葉を掲げました。
これはRailsアプリケーションに限らず、データを取り扱うソフトウェアが一般的に備えている以下4つの機能の頭文字を取った物です。

  • Create
  • Read
  • Update
  • Delete

これらの用語がしっくり来ないという方は、まずはCRUD機能について学習しておきましょう。

Scaffolding機能はこのCRUD機能を備えた各画面、アクションを生成します。
index show を始めとした各画面の役割、各画面の機能がどのファイル、どの部分に実装されているか全て把握しておきましょう。

まとめ

ベーシック試験の試験範囲「Scaffolding機能によるRails開発の基礎」について解説しました。
出題割合は5%と大きくはありませんが、「抑えておきたいこと1: Scaffolding機能の目的」に示したとおりRailsの原則を表している重要な項目です。
試験勉強に留まらず、是非Railsの考え方についても触れてみてください。

具体的な学習については、Ruby on Rails チュートリアルをお薦めしています。
Ruby on Rails チュートリアル
https://railstutorial.jp/

また、今後公式問題集の発売も予定しておりますのでお待ちください。

著者/文責: 泉 隼人
・Rails技術者認定試験運営委員会 テクニカルアドバイザー
・神奈川工科大学 情報工学科 客員研究員
・鹿児島県 喜界島出身。10歳の頃N88-BASICに触り、コンピューティングにのめり込む
・興味の赴くまま様々なプラットフォーム、言語を楽しみつつ10数年来に渡りRuby on Railsでの開発業務に従事する
・Webサイト https://9uelle.jp/

お知らせ

当委員会はRails7ベーシック試験ベータ試験実施結果を踏まえ、ベータ2試験を実施することといたしました。
詳細については以下のページをご覧ください。

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