Rails7ベーシック試験に向け、「試験に備えよう!」というコラムをこれまで6回お届けしてきました。
7回目となる今回は、残る試験範囲となる「その他のコンポーネント」「Railsの高度な機能」について試験内容の概要、抑えておきたいことを解説します。
その他のコンポーネント
出題範囲「その他のコンポーネント」は全体の5%の割合で出題されます。
出題範囲には、以下のようなコンポーネントが含まれます。
Action Mailer
Action Mailer は、メールの送信機能を実現するコンポーネントです。
Railsアプリケーションのコントローラー、ビューによく似た仕組みでメールの送信機能を実装することができます。
以下の内容について把握しておきましょう。
- Action Mailer コンポーネントの概要
- メーラーを生成する手順
- メールを送信するメソッドの実装方法と呼び出し方
- メソッド内で利用する
mail
メソッドの使い方、メソッドの引数に指定するオプションについて
- メソッド内で利用する
- メールテンプレート(ビュー)の使い方
Action Mailbox
Action Mailbox は、メールを受信してRailsアプリケーション内で処理する機能を実現するコンポーネントです。
このコンポーネントは、 Railsアプリケーション外との関わりが比較的強いコンポーネントです。
メールサービスごとの細かな設定を丸暗記するような学習は必要ありませんが、以下のような基本的、共通的な内容については把握しておきましょう。
- Action Mailbox コンポーネントの概要
- メールボックスを生成する手順
- デフォルト設定値
- メールを受信する方法
- 受信したメールを処理する方法
- 受信したメールのステータス
- 処理が成功したメールの「焼却」
Active Storage
Active Storage は、各種クラウドサービスやサーバーのローカル環境を利用したファイルのアップロード・ダウンロード機能を提供します。
単純なファイル保存だけではなく、画像ファイルを始めとした各種ファイルの変換、メタデータの抽出、Active Recordオブジェクトへの関連付けなどの機能を利用できます。
こちらも Action Mailbox 同様、Railsアプリケーション外との関わりが強いコンポーネントといえます。
学習の方針としても同様で、以下のような基本的、共通的な内容について抑えておきましょう。
- Active Storage コンポーネントの概要
- Active Record オブジェクトに関連付ける方法
- ファイルのアップロード、削除
- ファイルへのリンク、ダウンロード機能の提供
- ブラウザから直接ファイルをアップロードする機能
- JavaScript によるコントロール方法
Action Text
Action Text は、リッチテキストコンテンツを扱うためのコンポーネントです。
Railsコンポーネントとして Trixエディタ が取り込まれており、Railsアプリケーションから簡単に利用することができるようになっています。
まずは「リッチテキストコンテンツ」とは何なのか学習しておきましょう。
そうすると、リッチテキストコンテンツを扱うことの難しさ、そして Action Text の優位性を知ることができるはずです。
このコンポーネントについては、以下のようなことを抑えておきましょう。
- Action Text コンポーネントの概要
- Action Text のインストール
- Active Record オブジェクトに関連付ける方法
- ビューの実装方法
- リッチテキストコンテンツが保存される仕組み
Railsの高度な機能
出題範囲「Railsの高度な機能」は全体の5%の割合で出題されます。
ここまでの出題範囲では独立して扱われてはいないものの、実用的なRailsアプリケーションとしては必要となってくる機能について扱います。
キャッシュ機構
ここでいうキャッシュとは、Railsアプリケーションがリクエスト・レスポンスを処理する中で生成された結果を保存しておき、次に同じようなリクエストがを処理する際に再利用する仕組みです。
これにより、アプリケーションのパフォーマンスを効果的に向上させることができます。
キャッシュにはいくつかの種類があります。
次のような基本的なキャッシュについて、それぞれのキャッシュの名称と概要を確認しておきましょう。
- ページキャッシュ
- アクションキャッシュ
- フラグメントキャッシュ
- ロシアンドールキャッシュ
- SQLキャッシュ
国際化対応 I18n
Rails アプリケーションには、国際化・多言語化(Internationalization)を略して I18n と命名されたRuby gemが組み込まれており、この機能によって多言語サポートを簡単に導入できるようになっています。
この機能を利用して Rails アプリケーションを多言語化、ローカライズする方法を把握しておきましょう。
- I18n のしくみ
- ロケール、ロケール辞書
- ビューなどで利用する方法(メソッド)
Active Job
Active Job は、通常のRailsアプリケーションの処理とは独立した、バックグランドで実行するジョブを管理、実行する機能です。
定期的に実行される処理、時間の掛かる処理などを簡単に扱うことができます。
ジョブの作成、登録、実行方法を確認しておきましょう。
まとめ
ベーシック試験の試験範囲「その他のコンポーネント」「Railsの高度な機能」について解説しました。
この試験範囲は出題割合も大きくなく、また比較的高度な内容を扱っているため、試験のための学習が難しい範囲とも言えます。
とはいえ、実用的なRailsアプリケーション開発においては「あってよかった!」「Railsだとこんなに簡単に実現できる!」という、かなり有用な領域でもあります。
他の試験範囲をマスターした上での合格に向けて最後の一押し、そしてベーシックの次のステップに向けた学習、として是非取り組んでみてください。
具体的な学習については、Ruby on Rails チュートリアルをお薦めしています。
Ruby on Rails チュートリアル
https://railstutorial.jp/
また、今後公式問題集の発売も予定しておりますのでお待ちください。