こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは、Ruby on Railsについての最新情報やRails試験に関する内容を取り上げていきます。プログラミングの世界は常に進化を続けていますが、そんな中でもRailsについて興味深い話題がありました。
Ruby on Railsの開発者として世界的に知られるデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンDHH氏が、プログラマー採用において重視する2つのポイントを話していました。
DHH氏は、Webアプリケーション開発フレームワーク「Ruby on Rails」の生みの親であり、37シグナルズ社のCTOでもあります。そんな彼が2025年7月のポッドキャストで6時間にわたる長時間インタビューに出演した際の内容が、Railsを学んでいくエンジニアにとっても参考になる内容でした。
プログラマーを採用する際に重視する 2 つのポイント
Business Insider の記事(※1)によると、プログラマー採用の際のポイントは2つあるということです。
・ポイント1:カバーレター作成能力が示すコミュニケーション力
・ポイント2:実践的なプログラミング能力
詳しく見ていきたいと思います。
ポイント 1 :カバーレター作成能力が示すコミュニケーション力
彼が最も重視するのは、カバーレター(志望動機書)の質です。「良いカバーレターが書けなければ、不採用だ」という言葉は一見厳しく聞こえますが、これには深い理由があります。
優れたカバーレターを書くためには、 論理的思考力 問題解決能力 自分の考えを明確に伝えるコミュ二ケーション能力 の3つが必要だといいます。自分のことを文章でどのようにアピールするのか、文章が上手でない人はリモートで一緒に働くことができないという意見です。
履歴書や経歴、学歴でもないというのは少し驚きです。
確かに、テキストコミュニケーションも多いエンジニアの仕事において、文章が苦手で伝えることが苦手というエンジニアでは上手くチームでの仕事が回らなさそうです。アメリカの採用担当者に行った調査では、83%の人がカバーレターを頻繁に読んでいると回答しているため、応募者が考えているよりもカバーレターはずっと大事なものであることが分かります。
ポイント 2 :実践的なプログラミング能力
もう1つは、やはりプログラミング能力です。ただし、単純に技術ができる、分かるということよりも
「コードを見て、『この人と一緒に働きたい』と思えるレベルでなければならない」と言っています。更に、「ただ一緒に働きたいだけでなく、5年後にバグを直すためにまたそのコードを見ることになっても苦にならないコードであること」が重要ということです。
ですので、要素をまとめると、 実際のコーディング能力 問題解決のためのアルゴリズム思考 美しく① ②③保守性の高いコードを書く技術 が大事ということです。
これら2つのポイントが無いと採用に至らない(評価をされない)ということですのでこれからRailsを学んでいく皆さんにとっても気を遣っておくべき点になるかと思います。
(※1) https://www.businessinsider.jp/article/2507-david-heinemeier-hansson-looks-2-things-
hiring-cover-letter/
Rails の技術を高めつつ、それぞれのやりたいことが実現できるキャリアへ
Railsの技術を高めるうえで、様々な学習が必要です。個人でのキャッチアップ、もくもく会やコミュニティへの参加、スクールでの学習、実務経験などがありますが学習のマイルストーンを持っておくことはとても重要です。
自分が今どのくらいのレベル感なのかを把握しておくということです。
2025年7月にRails7技術者認定ベーシック試験(※2)が開始されました。この試験はRails 7.1に完全対応し、現代的な開発手法を評価する内容となっています。
(※2)https://railsce.com/archives/1270
試験の出題範囲は実践的で、モデル開発(20%)、コントローラー開発(15%)、ルーティング(5%)、テスト(5%)など、実際の業務で重要となる分野が網羅されています。
これからエンジニアとして成長したい、Webアプリケーションの開発に挑戦したいと考えている方にとって、Railsを学ぶことは非常に合理的で価値のある選択です。
このコラムをお読みいただいている方の中で、今後Railsを自分の武器としていきたい、採用するエンジニアの技術レベルを確認したい、学習中だが自分のレベルを確認したい、という場合は、Rails試験を受験をしてみてください。Rails学習のマイルストーンとして活用していただけたらと考えています。
R試験概要は以下の通りです:
・ベーシック試験:受験料10,000円(学割5,000円)、40問60分、7割正解で合格
・アドバンスド試験:受験料12,000円(学割6,000円)、40問60分、7割正解で合格
試験は「Ruby on Railsの基本文法を問う」ベーシック試験と「実務で使えるコーディング力を問う」アバンスド試験に分かれており、スキルレベルに応じた体系で勉強できます。