こんにちは、穂苅智哉と申します。
このコラムでは、Ruby on Rails についての最新情報やRails 試験に関する内容を取り上げていきます。
プログラミングの世界は常に進化を続けています。そんな中、Ruby on Rails は継続的に注目されており、開発者コミュニティも活発です。特に、2023 年10 月リリースされたRails 7.1 は、Web 開発における生産性向上に変革をもたらしました。
Rails 7.1 で最も画期的な変化の一つは、新規アプリケーション作成時にDockerfiles が自動生成されるようになったことです。これまでデプロイメントで苦労していた開発者にとって、これは良い改善といえるでしょう。
新しいRails アプリケーションを作成すると、本番環境への展開に必要なDocker ファイルが自動的に含まれます。これにより、開発から本番環境への移行がシームレスになり、「私のマシンでは動くのに」という昔ながらの問題が軽減されます。
Rails 7.1が開発者に与えるメリット
生産性の向上がRails7.1 の中核テーマだと思います。
例えば、ActiveRecord::Base.normalizes により、データの正規化処理が格段に簡潔になりました。例えば、ユーザーのメールアドレスを常に小文字で保存し、検索時も大文字小文字を区別せずに処理できま
す。これまで手動で実装していた処理が、宣言的に記述できるようになりました。
また、非同期クエリAPI の拡張により、パフォーマンスの最適化がより身近になったこともあります。rasync_count やasync_sum などのメソッドにより、重い集計処理を効率的に実行できます。
rails技術者認定試験が切り開く新たなRailsエンジニアキャリアパス
2025 年7 月、ついにRails7 技術者認定ベーシック試験(※1)が開始されました。この試験はRails 7.1に完全対応し、現代的な開発手法を評価する内容となっています。
(※1)https://railsce.com/archives/1270
試験の出題範囲は実践的で、モデル開発(20%)、コントローラー開発(15%)、ルーティング(5%)、テスト(5%)など、実際の業務で重要となる分野が網羅されています。
この認定制度の意義は単なる知識の証明にとどまりません。Rails 技術者の雇用機会拡大と企業のビジネスチャンス創出を目的としており、キャリア形成の重要な指標となることが期待されます。
なぜいま、Railsを学ぶべきなのか?
Rails は、優秀なフレームワークで開発スピードを上げられることや様々な機能を実装していることから、アジャイルで開発を行うスタートアップ企業や中小規模のプロジェクトでの採用が増加傾向にあります。
開発速度の圧倒的な優位性については、MVC アーキテクチャーに基づく「Convention overConfiguration」の哲学により、設定よりも規約を重視した開発が可能で、プロトタイプから本格運用まで一貫して生産性を維持できます。
更に、Rails 特有の豊富なgem エコシステムです。認証、決済、API 連携など、ビジネスアプリケーションに必要な機能の大部分がすでに高品質なライブラリとして提供されています。
更にはGitHub やShopify、Airbnb といった大規模サービスでの実績により、エンタープライズレベルの信頼性が証明されています。
Ruby on Rails の専門知識の取得を評価できる、「Rails 技術者認定試験」
これからエンジニアとして成長したい、Web アプリケーションの開発に挑戦したいと考えている方にとって、Rails を学ぶことは非常に合理的で価値のある選択です。
このコラムをお読みいただいている方の中で、今後Rails を自分の武器としていきたい、採用するエンジニアの技術レベルを確認したい、学習中だが自分のレベルを確認したい、という場合は、Rails 試験を受験をしてみてください。Rails 学習のマイルストーンとして活用していただけたらと考えています。
Ruby on Rails の技術知識について、
・高めたい
・実力を把握したい
・会社における基準の1 つとして使いたい
という皆様は、ぜひRails 試験のページをご覧ください。Rails 系の試験一覧になります。新たに開始されるRails 7 技術者認定試験は、まさにこのRails の流れを活用できるチャンスでもあります。
試験概要は以下の通りです:
・ベーシック試験:受験料10,000 円(学割5,000 円)、40 問60 分、7 割正解で合格
・アドバンスド試験:受験料12,000 円(学割6,000 円)、40 問60 分、7 割正解で合格
試験は「Ruby on Rails の基本文法を問う」ベーシック試験と「実務で使えるコーディング力を問う」アドバンスド試験に分かれており、スキルレベルに応じた体系的な学習が可能です。
2025 年7 月1 日から、Rails 7 技術者認定ベーシック試験/アドバンスド試験が始まっています。